- Women’s Health
産後うつや更年期障害を『心』から看る
投稿日|2026.01.17
最終更新日|2026.01.17
『産後うつや更年期』と聞くと、パッとイメージするのは、
産後の急激なホルモン変化によるうつ症状、
更年期ではホットフラッシュ、動悸、発汗、疲れやすさなど
身体症状という方が多いかもしれません。
けれど、精神看護の視点から見る産後うつと更年期は、
女性ホルモンにともなう身体的な体験と同時に、
心・環境・役割が大きく揺れ動く人生の転換期とが複雑に絡みあっており、
これを背景として様々な抑うつ障害が認められると言われています。
産後うつ・更年期の「つらさ」は心の弱さではない
産後うつ、更年期に多く見られる心の変化には、こんなものがあります。
🌼理由のない不安感
🌼気分の落ち込み、涙もろさ
🌼イライラや怒りが抑えにくい
🌼集中力の低下、判断力の低下
🌼自分が自分じゃないような感覚
これらは、
性格の問題でも、甘えでもありません。
ホルモン変化に加えて、
🌱家庭内での役割の変化
🌱孤独感や不安
🌱育児へのプレッシャー
🌱育児が終わったことによる喪失感
🌱家族やパートナーとの関係性の変化
🌱親の介護や親との別れによる心理的負担
🌱仕事への復帰や、仕事上の責任の増加
こうした環境要因が一気に重なる時期だからこそ、
心が悲鳴を上げやすくなるのです。
精神看護から見る更年期の本質
精神看護では、更年期をこう捉えます。
症状だけではなく、その人が置かれている環境と意味づけを看る。
同じホルモン変化でも、
・頼り先や支えがある人
・役割を抱え込みすぎている人
・助けを求めることが苦手な人
で、苦しさは大きく異なります。
つまり、更年期のしんどさは環境の影響を強く受けるのです。
環境が心を追い込むことも、守ることもある
精神看護で大切にするのは、頑張り方を変えること。
🌼家事や仕事や育児を全部自分でやらない
🌼家族に役割を分ける
🌼外部の力(医療・支援・代行)を使う
🌼休むことを、治療の一部と捉える
これは逃げではなく、あくまでも、回復のための環境調整です。
一緒に考えていきましょう。
ご家族にも知ってほしい、更年期のこと

産後うつや更年期障害は、本人だけの問題にしないことで状況の悪化を予防します。
・怒りっぽくなった
・以前より疲れやすい
・元気がない
・急に涙が出る
それは性格が変わったのではなく、
心と体が必死にバランスを取っているサイン。
ご家族や職場の人ができる支援は、とてもシンプルです。
🌼正論で説得しない
🌼人と比較しない
🌼体調を気遣い、声をかける
🌼役割を一時的に手放させる、調整する
それだけで、その方の心はずいぶん守られます。
看護としてできること
精神看護は、人を元気にさせることではありません。
・つらさを言葉にすること
・しんどさを一人で抱えなくていい環境を共に考え、つくっていくこと
・その人のペースを尊重すること
それが、産後や更年期といったホルモン変動の時期を乗り切る力になります。
これから先の未来に不安を抱えている人や、これまで誰かのために頑張ってきた人ほど、一度立ち止まる必要がある時期です。
支援を受けることは、弱さではなく、自分を大切にする選択です。
医療機関の受診について
産後や更年期の心身の不調は、
生活や環境の影響を大きく受ける一方で、
医療的な評価や治療が必要な場合があります。
以下のような場合には、
婦人科や心療内科・精神科などの医療機関の受診をおすすめします。
🌱症状が強く日常生活に支障が出ている
🌱気分の落ち込みや不安が長く続いている
🌱眠れない、食欲がない状態が続いている
必要な医療と、日々の生活支援をつなぐことも、私たち看護の大切な役割です。
マーベラ春日訪問看護ステーション